①はじめに
仕事を辞めた次の朝、何もしなくていいはずなのに、なぜか怖くて目が覚めた。 そんな経験、ありませんか。
布団の中でスマホを開いて、「傷病手当 申請方法」って検索してみる。でも出てきたのは難しい言葉ばかりで、読んでいるうちに頭が痛くなって、そっと画面を閉じる。 また後で調べよう。 そう思いながら、「後で」が何日も続いていく。
体はしんどい。気力もない。なのに頭の中では、お金の計算が止まらない。 今月の家賃、光熱費、食費。残高をまた確認して、また不安になる。「働かなきゃ」って思うけど、体が言うことを聞かない。
「休んでいい」って分かってるはずなのに、何もしていない自分を責めてしまう。 昼間ひとりで家にいると、世界から取り残されたような感覚になる。友達はみんな仕事をしていて、自分だけが止まっているみたいで。誰かに話したいけど、「仕事辞めたんだ」って言ったとたんに気を遣わせてしまいそうで、なかなかLINEを打てない。
私も、まったく同じでした。 看護師・保健師として働いていた私が、うつ病とコロナ後遺症を経験して、何度か仕事を辞めました。 医療職だから、制度のことは知っているはず——そう思われるかもしれません。でも実際は、自分が当事者になったとたん、頭が真っ白になりました。
「傷病手当金ってどこに申請するんだっけ」
「失業手当って、病気でも申請できるの?」
何度調べても手順が頭に入ってこなくて、書類を前にしたまま、何時間も動けなかった日があります。 体が限界なのに、お金の不安だけは待ってくれない。その両方を同時に抱えながら、ひとりで抱え込んでいたあの頃の気持ちを、私は今でもはっきり覚えています。 だからこそ、この記事を書きました。 難しい制度の話を、難しいまま伝えるつもりはありません。
「仕事を辞めたばかりで、体も気力もギリギリ」な状態の自分に向けて書くように、できるだけ分かりやすく、順番に整理しました。
傷病手当金、失業手当、職業訓練給付
これらをうまく組み合わせれば、焦って無理に働かなくても、しばらくの間は生活を支えていくことができます。私自身がそうやって、少しずつ立て直してきました。 あなたが今感じている不安は、あなたの弱さのせいじゃない。ただ、知らないことが多すぎるだけです。 一緒に、ひとつずつ見ていきましょう。
②知らないからできない:制度を使いきれない本当の理由
「給付金のこと、ちゃんと調べなきゃ」 そう思っているのに、なかなか動けない。それって、あなたがだらしないわけでも、やる気がないわけでもないんです。 ちゃんと理由があります。 「どこに行けばいいか、そもそも分からない」 傷病手当金は会社や健康保険組合、失業手当はハローワーク、職業訓練はまた別の窓口……って、調べれば調べるほど「担当がバラバラ」なことに気づきます。 しかも、それぞれのホームページは情報量が多くて、どこを読めばいいのかも分からない。体が元気なときでも混乱するような内容を、心も体もしんどい状態で読み解こうとしているんです。できなくて当然です。
「私みたいな状態で、申請していいのかな」
これ、すごく多い思い込みです。 実際に同じ境遇の人が申請していないことを何人かみかけました。
「寝込んでいるわけじゃないし」
「今日は少し動けたし」
「もっとひどい人が使うものじゃないの」
そうやって、自分には資格がないと感じて、申請をためらってしまう。 でも、制度はそんなふうにできていません。
「完全に動けない人だけ」が対象じゃないんです。医師が「働くのは難しい」と判断していれば、それだけで申請の条件を満たしています。
あなたが自分で「まだ大丈夫かな」と思っていても関係ない。主治医の先生が認めてくれているなら、堂々と使っていい制度です。 「申請したら、断られるんじゃないか」 怖いですよね、その気持ちはすごく分かります。 勇気を出して書類を集めて、それで「対象外です」って言われたら——と思うと、最初の一歩が踏み出せなくなる。 でも実際には、条件さえ満たしていれば、申請が通らないことはほとんどありません。「難しそう」に見えるのは、手順が複雑なせいであって、あなたがもらえない理由があるわけじゃない。怖くなるのは、知らないからです。知ってしまえば、意外と「あ、これだけでいいの?」って思えることが多いんです。 動けないのは、あなたのせいじゃない。 制度が分かりにくくて、情報が散らばっていて、しんどいときに調べるには重すぎるから、動けないんです。 次のパートからは、「何を・どの順番で・どうすればいいか」を、できるだけシンプルに整理していきます。難しいことは私が噛み砕くので、あなたはただ読んでいてください。
③使える柱を3つとして覚える まず、大事なことをひとつ。
給付金って、いくつも種類があってごちゃごちゃしてるように見えるんですが、実は「3つの柱」を順番に使っていくだけです。しかもこの3つ、うまくつなげると、退職後もしばらくの間は収入を確保しながら回復に集中できるようになっています。 ひとつずつ、見ていきましょう。
柱1:傷病手当金「働けない間のお金」 まず最初に頼れるのが、これです。 病気やケガで仕事を休んでいる間、給料のおよそ3分の2の金額を受け取れる制度です。会社を辞める前から申請できますし、条件を満たしていれば退職後も続けて受け取ることができます。最長で1年半、受給できます。 「退職したらもう終わり」と思っている方が多いんですが、そうじゃないんです。辞めた後もつながるのが、この制度の大事なポイントです。
柱2:失業手当「次の仕事を探す間のお金」 傷病手当金の受給が終わる頃、または体が回復して「そろそろ働くことを考えたい」と思えてきた頃に使えるのが、失業手当です。 ただし、病気や体調不良で今すぐ働けない状態のときは、通常の申請ができません。そのかわり、「受給期間の延長申請」という手続きをしておくことで、回復後にちゃんと受け取れる権利をキープしておくことができます。 これを知らずにいると、期限が切れて受け取れなくなってしまうことも。退職後なるべく早めに、ハローワークに一度行っておくことが大切です。
柱3:職業訓練「学びながらもらえるお金」 失業手当を受け取りながら、次のステップとして使えるのが職業訓練です。 パソコン、医療事務、介護、プログラミングなど、さまざまなコースがあって、無料〜格安で学べます。さらに条件を満たすと、訓練中も給付金を受け取れる場合があります。「スキルをつけながらお金ももらえる」、そんなイメージです。
3つをつなげるとこうなる 流れを時系列で整理するとこんな感じです。
退職
↓
傷病手当金(最長1年半・体を休める期間)
↓
失業手当(回復後・次の仕事を探す期間)
↓
職業訓練(学びながら・新しい一歩を踏み出す期間)
切れ目なく、順番につながっていく。これが大事なイメージです。 「給付金が終わったらどうしよう」と今から不安にならなくて大丈夫です。1つが終わっても、次の柱がある。そうやって、焦らずに回復と生活再建を進めていける仕組みが、ちゃんと用意されています。
私自身、この3つがつながることを知った時、本当に救われました。職業訓練で簿記3級を取得できたのも、傷病手当と失業手当で焦らずに時間をかけられたからです。制度を知っているか知らないかで、心に余裕ができ、生活の安定度合が全然違うと実感しました。
この記事では給付金の全体像をお伝えしました。
「実際にどうやって申請するの?」
「具体的な手順を知りたい」
という方のために、以下のnoteで詳しく解説しています。
・傷病手当金の申請手順
・ハローワークでの延長申請のやり方
・職業訓練の活用法
・私自身の実体験エピソード
をすべてまとめました。
▼ 詳しくはこちら(note)
https://note.com/hiro_saiken/n/n541b1ad13c8b
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一歩ずつ、一緒に前に進みましょう。
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